最近あちこちの地方鉄道を冷やかしているのは、以前書いた通りだ。
その中でもちょっと古いネタだが、6月中旬に赴いた松本電鉄について触れてみたい。尚、松本電鉄は現在「アルピコ交通」と社名を変更しているが、乗車券類にも松本電鉄の名が残っているので、敢えてそちらの名前を使うこととする。
会社名の通り、松本電鉄の始発駅は松本駅だ。JRと共用になっている改札機を通ると、一番奥の更に端っこ、7番線が
松電の乗り場になっている(正式には松電上高地線なので、案内にもその文字がある)。改札が共用なのの経緯は知らないが、券売機の切符の台紙もJRのものと共用になっている。
然も、券面左上にはJR東日本を示す「□東」の文字が入っている。何かJRにのっとられた線路のようだ。
やって来た電車はこれ。
誰が見ても「京王のお古だな」とわかる形状だ。沿線には「淵東(えんどう)」駅と「渚」駅があるのを文字って、鉄娘に「えんどう なぎさ」ちゃんが採用されている。
世の中には上手に可愛い女の子を書く人がいるものですなぁ。これが当の「淵東なぎさ」ちゃんで、同鉄道のシンボルキャラクターになっている。
発車まで時間があるので、少々、車内外を徘徊してみる。
きちんとサボが準備されている辺りは流石と思う。普通は前後の方向幕だけで済ませそうなところだが。
車内銘板。製造は東急車輛になっているが、改造は元・親元系列の京王重機になっている。それにしても昭和41年製とは古い車両だ。
天井の扇風機。これは京王独特のスタイルと思われ、今年4月に乗った上毛電鉄(同じく、元京王車両を使用)でも全く同じ形が見られた。
時間を待って発車すると、すぐに次の西松本に停まってしまう。概して駅間距離は短いようで、これは地方私鉄にはよくあるパターンと思う。
松本から15分ほどで新村で、ここには車両基地がある。
予備の1編成と、その左隣には元東急の「青ガエル」の姿が見える。青ガエルは以前はここの鉄道で使われていたものらしく、地元の有志の方が元のカラーに戻して、保存・整備に当たっているという。
終点の手前に、例の淵東(えんどう、表記上は「渕東」)駅がある。
淵東なぎさちゃんがお迎えしてくれる。始発から2つ目の「渚」駅でもこうだった。
更に2分ほど走ると呆気なく終点の新島々へ着いた。
ここでも予備の1編成が待機していた。線路はここから先に向かって、更に奥へと延びている。
調べてみると、1985年か86年かに大水害でもう一つ先の島々まであった路線を、廃止にしているらしい。一駅でも廃止になっているのは残念だ。駅前には、その旧の島々駅舎だけが保存されていた。
こじんまりとした終点だったようだ。
さて、駅前のバスターミナルでは、電車の到着に合わせて松電のバスが2本発車するようにダイヤを組んでいるらしい。一本は上高地・乗鞍高原行き、もう一本は白骨温泉行きである。
既に梅雨に入っていてこの日は客が少なかったが、夏休みなどは賑わうのだろうと思う。バスターミナルに隣接してバス車庫もあった。
新島々では電車を2本見送った。発車シーンなどを2枚。
2枚目のホームからの写真は、駅員さんに許可を頂いて撮った。この線はワンマン運転が基本なので、余分な客はホームには入れてくれないらしいのだ。ちょっと写真を撮らせて欲しいのだが、と頼むと気よく入れてはくれたが。
近くのコンビニで昼食を仕入れて食べ、戻りにかかる。
帰りの電車で気付いたのだが、ワンマン運転原則、無人駅原則なので、運賃箱には2両連結の運転士すぐ後ろの料金箱へ料金を投入する。料金箱にはちゃんと
どちら行きの時に使う運賃箱かが明記してあった。結構細かい配慮だなと感心した。
かくして梅雨時の松電を、3時間くらいかけて堪能してきた。都会のような煩雑な路線ではないので本数は少ないけれど、結構こう云う電車に乗ってみるのも面白味を感じている。
5月の末にこっそりと上田交通別所線と長野電鉄にも乗ってきたので、これで長野県の鉄道も完乗したことになるかな。ちょっとずつこうした県が増やしていければいいなと思う。
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