« トヨタロングパスエクスプレス | トップページ | 洗濯の悲劇 »

2012年7月 3日 (火)

“飯坂電車”往復乗車の記

Dscn3073

中々アップできずにいたが、先日の郡山近辺の旅行の帰りに福島交通飯坂線---通称「飯坂電車」を一往復して来たから、その模様を書こうと思う。

福島駅でJRを降り、JRの1番線をひたすら北方向へうねうね向かうと、ホームの北端で乗り換え改札に行き当たる。JRの切符を見せると、別の島式ホームへ入って行ける。

この島式ホームが福島交通と阿武隈急行線のもので、改札をくぐった左側が阿武隈急行線のホーム、右側が今回乗る福島交通のホームとなっている。
待つほどもなく、先に阿武隈急行の電車が入ってきた。

Dscn3047

今回は阿武隈急行には乗らないから、ホームの先端に行って福島交通の電車が来るのを待つ。

来た来た……

Dscn3050

入ってきた電車は、元東急電鉄の7000系車両で、福島交通でも「7000系」を名乗っている。但し、福島交通の電車は全て中間車の先頭化改造車とのことで、車番も「7001」をトップに福島交通独自の番号に改番されている。

乗り込むと、程なく発車した。ここの電車は昼間は25分ヘッドの運転となっているが、これは始発から終点までに23分を要し、終点での折り返しを2分とすることから、こうしたダイヤ構成になっているのだという。

次の曽根田で、いきなり隣に自転車を連れた人が乗ってきた。車内は自転車持込がOKになっているらしい。

先程「始発から終点までに23分」と書いた。その間に10の中間駅を過ぎるので、電車は1分ちょっと走っては次の駅に停まり、また1分ちょっと走っては……を繰り返すようになっている。

10分ほど走った笹谷で、少し動きがあった。

Dscn3055

ここは交換可能駅で、昼間は殆どの場合がこの笹谷で交換するようにダイヤが組まれているようだ。見てきたところでは、他に、泉・桜水・医王寺前でも交換できるようになっていた。

さて、交換した笹谷の次が桜水で、ここには飯坂電車のすべてを預かる車庫がある。電車のダイヤを見ても、一番電車は桜水が始発になっており、終電も桜水が終点となっている。飯坂電車にとっての“要”なのだ。

それはそうと、桜水には

Dscn3057

こんな車両も留置されていた。倉庫代わりに使われているようだが、多分これは以前使われていた5000系車両(東急5000系からの譲渡車両・東急時代は「青ガエル」と呼ばれていた)の為れの果てであろうと思う。

桜水からもツクツクと停車して、10分もしない内に呆気なく終点の飯坂温泉に着いた。

飯坂温泉では、人の流れをご覧頂けばお分かりになるかとも思うが

Dscn3060

写真左手が降車専用ホーム、右手が乗車専用ホームとなっている。扉の開閉も、先に左側を開け、少ししてから右側を開けている。

車掌は全列車に乗務しているそうだが、車掌は車内券発売と集札が業務らしく、扉の開閉や案内放送(自動放送)は運転士が行っていた。終点でも勿論それは変わらない。

終点は「飯坂温泉」との駅名で、ちょっとspaに浸かりたい気持ちも湧くが、そこまでの時間は取っていない。取り敢えず、今来た電車は見送ることにする。次の電車までに、終着駅の様子を少し観察しようとの魂胆だ。

先程、自転車が乗って来たことを書いたけれど、駅ホーム(改札内)にも

Dscn3068

かようにレンタサイクルが用意されていた。自転車も含めて、少しでもエコに貢献しようとの意図があるのだろう。

次の電車まで少し時間があるから、改札を出ようとしたら改札口は閉鎖されていた。駅員氏も姿が見えない。仕方ないので改札内で次の電車を待ったが、改札外を観察したところ

Dscn3067

階段を「登って」行かなければ地上へは出られないらしい。

こう云う時の25分などはあっと言う間に過ぎ、次の電車が向こうからやって来た。

Dscn3071

この電車に乗って、福島へ戻ろうと思う。

停まった所で、運転士さんのスタフ板をちょっと失敬。

Dscn3076

拡大して頂くとお判り頂けるかと思うが、必ず桜水で乗務員の交代も行うようになっているようだ。つまり、福島交通は桜水が全ての要衝となっているらしい。

写真には撮れなかったが、帰路は医王寺前でも交換があった。「?」と思ってよく見ると、交換列車には「貸切」のシールが貼り付けてあった。何かの団体が利用されるのだろう。貸切列車も精力的に受け入れているのだ。

帰り道では、飯坂温泉の次の花水坂から小さい子供が電車の先頭部分を占領してしまった。あまり前がよく見えないが、車庫のある桜水では「こら、どけ」とばかりに(実際にはそんなこと、言っていませんよ)先頭へ陣取り、車庫の模様も撮影しておいた。

Dscn3080

左側の列車は3両編成で、平日の朝夕だけ使われるのだそうだ。右側は私が乗っているのと同じ2両編成で、所謂「予備編成」なのであろう。

まあ、こんな次第で“飯坂電車”を一往復してきた。

ローカル私鉄だから、経営状況はかなり厳しいものがあるはずだ。それでも今のところ、廃止の話も出ずに黙々と運転を遂行している。どうか、廃止の話が出ないように、これからも存続していって欲しいと願いながら、福島交通の改札をくぐったのであった。

|

« トヨタロングパスエクスプレス | トップページ | 洗濯の悲劇 »

鉄道その他」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
写真を拝見していると2年ほど前にすーさんに連れて行ってもらった
流山電鉄を思い出しました。
単線で中間に交換駅があるあたりよく似ているなあと思います。
元東急といえば3月に乗車した弘南電車も元東急でした。
やはりステンレスカーは古くなっても痛みにくいのでしょうね。
終点が温泉というのは経営上有利なのでしょうね。
貸切電車は温泉に慰安旅行か何かでいく団体さんでしょうか?

投稿: vanagon714 | 2012年7月 3日 (火) 22時26分

>vanagon714さんへ
こんばんは。
流山電鉄の貴記事、覚えがあります。すーさんと行かれたのですね。
単線・中間駅での交換の他に、大手私鉄のお古と云う点でも似ていますね。流鉄は馬橋のホームから眺めただけで、まだ乗っていません。
そうそう、弘南鉄道も東急のお古でしたね。
仰せのようにステンレスは古くとも丈夫なのでしょう。また軽量ですから、線路の負担が軽いという面もあるかも知れません。
生き残っているローカル私鉄を思い浮かべてみると、起・終点に温泉があるものが多いようです。それなりのメリットがあるのだと思います。
貸切は、私が見た時点では空車回送でした。spa帰りの団体さんを迎えに行くところだったのかも知れません。

投稿: vanagon714さんへ | 2012年7月 4日 (水) 00時31分

おはようございます。
以前私も往復しました。
ローカル私鉄の雰囲気はいいですね~。
何処も大手私鉄の中古車になってしまったのが残念ですが、経営上仕方ないですね。
片道はバスにしようかと思ったら、運賃が電車の倍くらいしたので電車で往復しました。

投稿: N市のT | 2012年7月 4日 (水) 08時28分

こんばんは
いつものことですが、道外の私鉄には疎くて記事を見てから情報を検索している私です(汗)
ローカルな風景に大手私鉄の中古車というのは北海道の中古バス事情と同じなのかなぁと思いつつ拝見いたしました。

話は変わりますがD北バスに中古でノンステ車が1台入ったようなのですが、どうやら元N市営車らしいです。いつになるかわかりませんが撮影出来たら新天地で活躍の様子をお知らせしたいと思います。

投稿: kattsu-mqc | 2012年7月 4日 (水) 21時53分

>N市のTさんへ
こんばんは。
のんびり走っては停まるローカル私鉄は、JRとはまた別の魅力がありますね。
経営上、東京の私鉄のお古が大半ですね。東急の他、西武や京急もよく使われているようです。
帰り道……そう言えば殆ど線路に沿って道路が並行していましたね。バスの便もあるのですか。時間に余裕があったら、自分も乗っていたかも知れません。

投稿: N市のTさんへ | 2012年7月 4日 (水) 22時36分

>kattsu-mqcさんへ
こんばんは。
近頃、車両には興味がなくとも地方私鉄に乗る機会を増やしています。いつ何時、廃止の話が出て後悔するとも限りませんので……。
のんびりした風景に関東圏のお古の電車は、やや不釣合いですが、経営収支を考えると止むを得ないのでしょう。因みに往復で720円を使っていますが、この料金で抑えるのも大変なのではと思います。

N市営バスのノンステップバスが、そちらで活躍しているそうで。昨年度はUDのノンステップが廃車になっていますから、それかなぁ?と思っております。急ぎませんが、画像が撮れましたらアップをお待ちしています。

投稿: kattsu-mqcさんへ | 2012年7月 4日 (水) 22時47分

この様な路線が成り立っているんですね。
出来れば銀色の電車ではなく、個性のある塗装であればいいのですが…

この営業距離は「乗ってみる」には、ちょうどよさそうです。

投稿: suzuran6 | 2012年7月 6日 (金) 05時20分

>suzuran6さんへ
福島はさほど大都市ではないと思いますが、何とかやっているようです。
以前は東急5000系のお古で紅色とベージュのような塗装の電車が走っていました。私の頭では今でも「福島交通」というとその色のイメージがあります。

23分という乗車時間、確かに長過ぎず短過ぎず、駅前旅行者には程々の距離です。

投稿: suzuran6さんへ | 2012年7月 6日 (金) 15時37分

こんにちは。福島は一応県庁所在地ですから朝夕の通勤渋滞もヒドいでしょうし、このランクの鉄道には前向きに頑張って欲しいです。たしか何年か前に民事再生法の適用申請したと思いましたが、以後うまくやっているようです。鉄道よりもローカルの路線バスが足ひっぱってるような気がします。それとたしかに地方私鉄は大手お下がりの軽合金車体ばかりになりましたね。経費削減上仕方ないでしょうか?今ふっと思ったのですが、中小私鉄でオリジナル車両が走るのは、静岡鉄道と遠州鉄道ぐらいでしょうか?なぜか両社とも静岡県なんですね…。これはどうしたことでしょう?

投稿: すーさん | 2012年7月 8日 (日) 11時15分

>すーさんへ
こんばんは。
そうですね。福島は県庁所在地ですものね。朝夕専用に3両編成の車両が2本あるとWikiで見ました。市民の足を支えるために頑張って欲しいものです。
民事再生法は、あの駅ビル衝突事件の影響からでしょうか?
確かに福島交通はローカルバスを多く持っていますから、そちらも大変苦しいでしょう。先日HPを見てみましたら、それでも現在10名程度のバス嘱託乗務員を募集しているようです。
地方の私鉄は、アルミの関東圏のお古が幅を利かせていますね。やはり軽量なのと、程度のよい車両が安価で手に入るからなのでしょう。
静鉄と遠鉄、言われてみれば……です。あと、富山地方鉄道もオリジナル車が残っていませんでしたっけ?(記憶違いだったら済みませんです)。

投稿: すーさんへ | 2012年7月 8日 (日) 21時22分

はじめまして。
vanagon714さんのブログに時折登場しますレッドラインと申します。よろしくお願いいたします。
本来はもう少し前に投稿させて頂く予定でしたが、お怪我をされたとの事でしたので控えさせて頂いておりました。無事の回復なによりです。
さて記事中の倉庫になっている車両ですが、窓、扉の配置からして、主に増結に使われていたサハ3000形と思われます。
地方私鉄のオリジナル車も確かに減りましたね。
富山地鉄はまだけっこうオリジナル車が残っています。他には富士急、伊予鉄、上信、伊豆箱根、伊豆急、非電化では関東鉄道など、他には動態保存車なども入れればまだ出てきます。探せばけっこう出てくるものですヨ(^^)
ですので、まだまだオリジナルを楽しめる機会はあると思います(^^)

投稿: レッドライン | 2012年8月 8日 (水) 18時52分

>レッドラインさんへ
こんばんは。
こちらでははじめまして。vanagon714さんのブログでコメントはいつも拝見しておりました。どうぞよろしくお願い致します。
また、怪我の件でご心配をお掛けしましたこと、深くお詫び申し上げる次第です。
あの茶色の車両は、福島交通のオリジナルだったのですね。地方私鉄には余り詳しくないものですから、勝手にこちらの想像で記事を書いておりました。
富山地鉄は比較的馴染みがある私鉄です。言われてみれば、あそこは今でもオリジナルが多いですね。関東鉄道は一昨年の夏に乗りましたが、そうそう、殆どがオリジナルの車両でした。
JR線は全線乗ってしまったので、機会があれば地方私鉄も楽しんでいきたいと思っています。色々ご教授頂きまして、有難うございました。

投稿: レッドラインさんへ | 2012年8月 8日 (水) 21時19分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1088631/45944429

この記事へのトラックバック一覧です: “飯坂電車”往復乗車の記:

« トヨタロングパスエクスプレス | トップページ | 洗濯の悲劇 »