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2010年11月 6日 (土)

秘境駅「小和田」とその周辺

Dscn0808秘境駅として名高い(との言い方も変だが)飯田線・小和田(こわだ)駅の記録を書こうと思う。旅日記にも「後日別掲としたい」と書いたまま、放ってあるし。

ホームの全景を上に掲出したけれど、驚くべきことに、この小和田駅は以前は交換可能の駅だったようだ。線路を剥ぎ取った側のホームにも、JRの駅名標が電柱に貼り付けられている。交換できた時代が見てみたかった。

現在使われているホームを見ると、こんなものが建っている。

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愛知県・静岡県・長野県、三県の境界であることが記されている。実際の地図では、県境は駅下を流れる天竜川の中にあるようで、本当の県境ではないらしい。ただ、位置的にはほぼ「三県県境」と言っていい位置にあるようだ。

ホームにはこんなものも建っている。

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この辺りに恋愛に関する神社などはないようだが、現在の雅子妃殿下の旧姓が「小和田」と書くので、それにあやかったものらしい。但し、雅子妃殿下の旧姓は「おわだ」と読む。

駅舎へ入ろうとすると、

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このようなヘッドマークもお出迎えしてくれる。その昔、こんな臨時列車が運転されたこともあったようだ。私の記憶にはない。

鉄道雑誌などに載せられている、比較的有名な駅舎。

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私は小和田に降り立つのは初めてだが、この駅舎は見覚えがある。多分、雑誌などで目にしたのだろう。その駅舎の中。

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木造でしっくりしている。何ともいい雰囲気の駅舎だ。余分なポスター類は排除した方が、尚いいように思われる。

見てみると、切符売り場の跡がある。こんな秘境と言われるような駅にも、駅員がいた時代があったらしい。切符売り場の一部をズームアップ。

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「ご利用ありがとうございます」の文字の下には「いい日旅立ち」の文字が……。国鉄が「いい日旅立ち」のキャッチコピーで宣伝をしていたのは、昭和53~4年のことだと思う。今から30年以上前なら、駅員の需要があったと云うことのようだ。

駅前には看板が立っている。

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「散策道入口」とあるから、少し散策してみよう。

それはそうと、現在、小和田なる集落は完全に消滅しており、実質、駅名のために残っている地名のようだ。最も近い集落は「塩沢」らしいが、駅からは徒歩25分とある。写真の看板に書かれている「門谷」の集落は、地図の上で見る限り、徒歩1時間くらいかかりそうだ。

余談はさておき、散策に移る。

先ず目に付いたのが

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こんな真新しい四阿。散策者のために最近設けられたもののようだが、ちょっと興醒めしてしまう。

更に少し行くと、

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これは、昔懐かしいホーロー看板だ。以前は、この絵の看板を時々見かけたものだが、近年、トンと見かけていないなあと気付く。

駅からはずっと下り坂になっていて、ふと後を振り返ったら

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駅からは随分下っているようだ。写真に写っているのは駅舎ではなく、通信関係の施設。ともあれ、こんな急な坂道を登って、嘗ては人が駅を使っていたらしい。

2~3分歩いた所で、初めての人家跡を発見する。

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使われなくなって何年経つのだろうか。「いい日旅たち」の頃? もっと前だろうか? 前所有者に尋ねてみたい気持ちに駆られる。

暫く歩く内に、川面が見えるようになってきた。

Dscn0823

悠々とした流れは、天竜川。流れ、と云うよりも、この辺りは佐久間ダム湖の上流に当たり、あまり「水が流れている」感じはしない。ダム湖の上流部と言ってもいいような感じだ。

こんな人気(ひとけ)のない所に、駅が存在するのは不思議な気持ちになってくる。静かでいい所だ。……と思っていると、急に対岸からバイクの音が聞こえてきた。対岸の上流部を見ると

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電柱が見える。距離としては、それ程離れていない所に道路が通じているようだ。対岸は、愛知県になる。

現在、小和田駅を利用する方は、この対岸の愛知県側の方だと聞いている。私が歩いた範囲では、船着場のような場所は見当たらなかった。勿論、対岸からの橋などはありはしない。詳しい事情はよく判らない。

静かな駅は、静かなまま、そっとしておいた方がよいのだろう。駅がいつまでも存続することを祈って、簡単なご紹介を終わることとする。

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コメント

小和田の駅舎比較的良好な状で残っている様ですね。
切符売り場があり、その横に荷物の受け渡しの窓口がある。小さな駅の定番が残っていてなんだか嬉しいです。
今後もいたずらなどによる破損が無いことを祈りましょう。

投稿: suzuran6 | 2010年11月 6日 (土) 11時43分

>suzuran6さんへ
仰せのように「国鉄駅」らしい形のまま残っています。鉄道以外の手段でこの駅へ来ることは極めて困難なので、所謂「ステーションホテル族」に悪さをされなければ、現状維持が比較的容易だと思います。
写真には撮りませんでしたが、駅を出た直ぐの所に1mを超える蛇の脱皮跡がありました。自然に溶け込んだ駅として、存続して欲しいですね。

投稿: suzuran6さんへ | 2010年11月 6日 (土) 21時19分

こんばんは。
小和田駅は秘境駅になってしまったのですね。
利用客が若干でもいるので残っているのでしょうか?
3県の県境というのは面白いですね。
見てみたいです。

駅までの急な坂道はきつそうですね。
駅舎そのものはこじんまりしていて模型になりそうな雰囲気ですね。
そういえば九州でも日田彦山線の駅で急な坂を上る駅がありました。
あちらは駅舎が下にあってホームまで急勾配を上る感じでした。

投稿: vanagon714 | 2010年11月 7日 (日) 22時22分

>vanagon714さんへ
こんばんは。
現在、小和田駅を定期的に利用される方は1人だけだと聞いています。駅自体は静岡県にありますが、その県境の絡みで、川向こうの愛知県の方が利用されている由です。
この駅へ来るには、峠の細い道を通らなければならず、車で立ち入ることは出来ないと思います。最も近い集落が本文にもあるように徒歩25分とのことですから、今は専ら「秘境駅目的の観光者向けの駅」となっているようです。
日田彦山線にも、急坂を登る駅がありましたね。終点の夜明に近い辺りだったような記憶があります。

投稿: vanagon714さんへ | 2010年11月 8日 (月) 00時15分

小和田駅も秘境駅になっているのですね。
雅子さんブームの時は賑っていたようですね。
硬券類が発売されていて飛ぶように売れていたようです。

今はすっかり落ち着いて、閑散としていい雰囲気を醸し出していますね。
気候がいい時にbeer片手に景色を眺めながらボーッとしていたいものですね。

投稿: N市のT | 2010年11月 9日 (火) 13時38分

>N市のTさんへ
小和田と両隣の「大嵐」や「中井侍」も秘境駅扱いのようですが、小和田の周辺には人家が存在しないので、ここがエース級のようです。
雅子様のご結婚がいつだったか忘れてしまいましたが、近くの平岡などで硬券を売ったのですね。今でもご覧の通り、縁起駅扱いもされているようです。
こう云う落ち着いた所で、ボーっとするのは最高の贅沢でしょうね。静かな駅のままでいて欲しいなと願います。

投稿: N市のTさんへ | 2010年11月 9日 (火) 21時36分

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