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2010年8月26日 (木)

常磐線・岩間駅の跨線橋レポート

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先日の常磐線旅行記で、「後日別掲とする」とお約束した岩間駅の跨線橋について、私なりの観点でレポートを書きたいと思う。ただ、建築工学については全く素人なので、「見たまま」のご報告であることをご了承頂きたい。

上の写真でも写っているが、跨線橋を支える支柱部分の下に、この駅では何も設備がない。物置などのスペースに利用されている駅が多い中、支柱のレールが剥き出しになっている。その支柱部分から見てみようと思う。

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支柱は連結金具を除けば、全てレールから作られている。実に巧みに組み合わせて作られているのが、素人目にも見て取れる。

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この様に支柱部分を真正面から見てみると、実に丹念に作られた造形美を感じる。シンメトリーと云うのか、綺麗に左右対称に作られている。跨線橋と云う用途よりも、アートとして捉えても遜色のない造りだと思わせる。

支柱は部分的に、2本のレールを組み合わせて作られている。その部分のアップ。

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面白いなと思ったのは、異なる規格のレールを組み合わせて支柱にしている点だ。この写真なら、明らかに右側のレールの方が、高規格のものになっている。左のレールはアーチ型に曲げられて左側への橋脚へと繋がっている。規格の低いものの方が、加工がし易かったのだろうか。

因みにこれもレールの部分的なアップだけれど

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何度も塗り直されているのがお判り頂けるかと思う。少なくとも“先代”は、深い灰緑色だったようだ。この、度重なる塗り直しにより、レールの製造年などの刻印文字は、全て判読不可能となっていた。

さて、跨線橋の中へ入ってみるとしよう。

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入ろうとして気付いたのだが、2番線側では、跨線橋に中継信号が取り付けられている。岩間駅自体が緩いカーブの途中に設けられているので、こうした処置が為されているらしい。

階段は、以前ご報告した北海道の上川駅とは違って、コンクリート造りだ。流石に関東近郊の駅では、木造の階段では使用に耐えられないものとみえる。

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跨線部分も、天井の梁はレールを組み合わせて作られている(後で気付いたが、中央の梁だけは木造のようだ)。切っては繋ぎ合わせての造作と思われる。「廃物利用」との観点では合理的かも知れないけれど、工作物として見た場合、かなり手間を取っているように感じられる。

折角の造形物だが、天井を見ながら歩いていたら……

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一部はトリさんの巣になっていた。主は多分、スズメだろう。出入り自由のオープンな構造だから、ある程度のことは止むを得ないのかも知れぬ。

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階段を降りようとして気付いたのだが、階段部分だけは天井の梁が全て木造だった。側面の桟は何らかの鉄材で出来ているから、ここは「異質の存在」のように思われた。

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1番線側から、改めて跨線橋を眺めてみる。階段部分の途中に丸に囲われたイラストがあるが、この駅の属する旧岩間町(現在は笠間市に統合されている)の花、スズランが描かれている。付近に位置する難台山の麓に、スズランの群生地があるのだそうだ。

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素人目にも、大変見応えのある跨線橋。橋上駅化の計画もあるとの事で、駅員さんに尋ねてみたが「詳しくはまだ聞かされていない。付近の関連道路の工事が始まっているので、2年ぐらいを目途に工事に入るのではないか」とのご回答であった。

何れにせよ、近い将来、取り壊されることに間違いはなさそうである。

甚だ頼りない記事ではあるが、私の「見たままご報告記」はこの程度にしようと思う。

最後になってしまったが、この駅跨線橋を観察するきっかけを作ってくださったvanagon714さんには、心より御礼申し上げる次第である。

***

追記:vanagon714さんのご指摘により、階段をかさ上げしていると思われる部分が1番線の写真にもあったため、補足としてもう一枚画像を追加します。足元は判り難いですが、1番線側でも屋根がない部分に階段が存在しています。

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国鉄・JR」カテゴリの記事

コメント

歴史を感じさせる味のある跨線橋ですね。
これも数年後には今風の橋上駅になるのですね。
歴史あるものが破壊されてなくなるのは淋しいですね。

投稿: N市のT | 2010年8月27日 (金) 21時32分

こんばんは。
岩間駅跨線橋レポートありがとうございます(^^)
たいへん興味深い内容でした。
外観や造りから想像するとやはり相当古いものかなと思います。
使われているレールの製造年が読み取れないのは残念ですね。
窓のようなプラスチックトタン?の部分はもともとオープンな構造だったのでしょうかね。
北海道には無いタイプですね~

投稿: vanagon714 | 2010年8月28日 (土) 00時21分

>N市のTさんへ
中々いい雰囲気の跨線橋でした。
橋上駅化は決まってしまっていることらしく、避けられないようです。
出来ることなら「小奇麗な」駅舎だけは避けて欲しいと願います。無骨な雰囲気を残して欲しいですね。

投稿: N市のTさんへ | 2010年8月28日 (土) 00時47分

>vanagon714さんへ
こんばんは。
仰せのように造り方が古めかしく、かなり年数の経ったものと想像されます。レールの年号を読もうと跨線橋周りをうろついたのですが、こってり塗装されていて、断念せざるを得ない状態でした。
半透明のトタンは、私も「当初は何もなかったのでは?」と感じました。ただ、跨線橋内部の写真をご覧頂くとお判りかと思いますが、「後付け」にしては鉄骨も含めて綺麗にはめ込まれているのです。素人にはよく判りませんでした。
道内とは雰囲気が異なるようですね。室蘭線の白老だったかその前後の駅で、多少似た感じのものを見たような気がしますが、基本的に構造が違っていると思います。

投稿: vanagon714さんへ | 2010年8月28日 (土) 00時59分

こんばんは。再びお邪魔します。
実は前から疑問に思うことがあります。
写真の跨線橋、どう見ても常磐線電化前に作られたものかと思います。
ということは電化の際に架線の分だけかさ上げしているはずですよね。
そう思ってもう一度写真を拝見しました。
かさ上げ部分は屋根の無い階段の上り初めのPC部分が怪しいですよね。
階段中ほどの踊り場も気になります。
最初から踊り場があったようにも見えますが階段を延長した際に
長すぎるので踊り場を設けたのかもしれませんね。
屋根の傾斜が直線で階段だけ踊り場があって天井の高さが変わるのは
ちょっと不自然かなあなんて思います。
考えすぎですかね~(^^;;;;
長文失礼しました。

投稿: vanagon714 | 2010年8月28日 (土) 22時06分

>vanagon714さんへ
こんばんは。
鋭いご指摘、有難うございます。
実を言いますと、私も「屋根の無い階段の上り始め部分」をちょっと気にしていました。何でわざとらしくPCにしているのか、と最後の写真を見ながら思っていたのです。電化時のかさ上げまでは考えが至りませんでした。
また
>階段中ほどの踊り場
これは、気付きませんでした。確かに仰せの通り、屋根の傾斜は直線なのに、足元は途中で敢えて角度を変えるような踊り場を設けているのは不自然ですよね。
いや~、実によく見ておられますね~。
私の考察が至らずに、お恥ずかしい次第です(滝汗)。
1番線側にも「屋根が無いのに階段がある」という写真がありました。判り難いですが、ご参考までにご覧頂けると幸甚です。

投稿: vanagon714さんへ | 2010年8月28日 (土) 23時39分

画像を追加していただき恐縮です(^^)
私の場合もあくまで想像でのお話なので信憑性は乏しいです(^^;;;
最初から電化を想定した高さで設計されたのかもしれませんね。
そうなるとかさ上げ説は吹っ飛びます(笑)

実はかさ上げしたとするとレールで組まれた支柱にも痕跡があるのかなあと
思いその部分の写真を見ながら考えました。
とりあえず継ぎ足したような部分は見当たりませんね。
真横からの写真や裏側からの写真を見ると、横向きの梁というか補強材の
高さが中間ではなく少し高い部分にあります。
補強は普通に考えると中間に入れそうですよね。
そこで横向きの写真にPC部分が隠れるように定規を当ててみると
ピタリ中間に補強が来ます。
ということはやはりかさ上げされているのでしょうか?
そこでまたまた仮説を立ててみました。
 当初古レールで組んだ脚は地面に埋もれている部分がそこそこあった。
 かさ上げに際し埋もれた部分を持ち上げて使うことができた。
 持ち上げたことで強度的に不安になったので脚の根元をPCで補強。
というのはいかがでしょうか?
またまた長文失礼しました。

投稿: vanagon714 | 2010年8月29日 (日) 00時57分

>vanagon714さんへ
再々コメント有難うございます。
頂いたコメントや自分の写真等から私なりに色々考えてみました。
この近辺が電化されたのは、昭和36年6月とのことです。憶測に過ぎませんが、レールを組み合わせたこの跨線橋は、昭和36年よりは前に作られたもののように思えます。また、1番線・2番線共に、同じ位置からPC階段になっているのも、妙な一致だと思います。
とすると、やはり、かさ上げ説が大変有力になると思います。
仰せの真横からの写真(円にスズランの絵がついているもの)を見ると、横の補強材に加えて、縦の桟(支柱)も「現状の階段」では不自然な間隔で入れられているように思います。かさ上げなしで見ると、縦桟が1本、中心位置に入れられていますよね(ここが階段の踊り場の終点位置にもなっています)。この中心位置の縦桟を基軸に、他の縦桟を入れていったとすると、何となく説明がつくような気がします。
また、3枚目の写真(シンメトリーの写真)を見ていて思ったのですが、上下逆のUの字型の補強材が、かさ上げ後に入れられたとすると、異なる規格のレールを用いた理由の一つにもなるかなと思うのです。最も低い位置にある逆U字は、元々あそこが地面なら、入れる必要が無い高さに入っていますよね。逆U字も含めて、かさ上げ時に「後付け」されたものなのかな~と云う気もします。
私も勝手な想像に過ぎませんが、貴説には大いに頷ける面があると思います。

投稿: vanagon714さんへ | 2010年8月29日 (日) 21時53分

チョットご無沙汰してしまいました‥
都内の駅でも、レールの柱結構あります。お茶の水駅でまじまじと柱(レール)を見ていたら、駅員さんにしばらく観察されてしまいましたsweat01
やはり分厚い塗装で、製造年などは見当たらず‥ここの塗装を剥がせば‥は有りましたが。
すずらんの群生地‥チェックします。

投稿: suzuran6 | 2010年8月30日 (月) 12時57分

>suzuran6さんへ
お仕事がお忙しいのかな、と勝手に邪推しておりました。お互い様ですから、お気になさらずに……。
言われてみれば、お茶の水も古い「レール造り」の駅ですよね。ただ、あれだけ人混みの駅ですので、私が駅員なら多分、当の駅員さんと同じ行動を取るのではないかと(笑)。
suzuran(?)の群生地は、難台山と云う山の麓とWikiにあります。地図で調べてみると、岩間駅から西方へ、かなり離れた場所のようです。

投稿: suzuran6さんへ | 2010年8月30日 (月) 21時01分

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