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2009年7月31日 (金)

ネプチューンへの思い、あれこれ

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この記事を書くにあたって、私は珍しくネットで下調べをした。検索語に「ネプチューン / バス」と入れてみたのだが、そうしたらテレビを見ない私は知らないことに、「ネプチューン」と名乗るお笑いタレント(コンビかトリオか知らない)があるらしく、彼らのサイトに飛んでしまった。私が書きたいのは、バス機器メーカーの話である。

従って、若し、お笑いタレントの「ネプチューン」目当てにこのブログへ来られた方は、申し訳ありませんが当ブログを閉じてください。全然関係ない話を書きますので。

さてと。

上の写真は、ネプチューン社製のバステープ再生装置とそのバステープである。私の職場で嘗て使われていたもので、廃車発生部品をちゃんとお金を出して買ったものだ。但しテープの方は、正直言ってお金は出していない。ゴミ同然に捨てられていたものを、職場の上司の許可を受けて「絶対に売り物にしない」ことを条件に、貰い受けたものだ。

私が「ネプチューン」と出会ったのは、確かまだ小学校に入る前のことだと記憶している。当時からバスに関して異常な興味を示した私であるが、ある時運転手の真後ろの席に座ったら、ワンマンバスの運転手がボタンを押すたびに案内放送が流れるのを見た。当時のテープ再生機は運転手の押しボタンのすぐ後ろ側に付いていたので、案内放送が流れる度にテープが回るのまで見えた。そのテープをよくよく見てみると「ネプチューン」と書いてあったのである。

小学校に入りもしない子供が、㈱ネプチューンを知る筈もない。私も単語としては記憶しておいたが、何を意味する言葉かはさっぱり判らなかった。小学2年生頃に、初めて辞書で「ネプチューン」を調べてみたら『ギリシャ神話の女神の名前』と説明してあり、益々訳が判らなくなった。案内放送機器のメーカー名であることは、小学4年生の時に、友人の伝で(今思えば)私の将来の職場を個人的に見学させて頂いた時にやっと判ったのであった。

以来、バスの案内放送機器メーカーとして、私の職場はネプチューン社のものを使い続けていた。私が現在の職場に入った時にも案内放送は殆どの車でテープ放送が使われており、合成音声によるテープを使わない案内放送は、勤続年数の長い方が乗務するごく一部の新しいバスにしかついていなかった。

でも、たまに代車などでそのテの新しい車に乗ると、やはり案内放送装置はネプチューン社製であった。ネプチューン社は、昭和37年に日本で初めて路線バス用のテープ放送機を世に出した実績があるのだそうだ。それを私の職場ではずっと採用し続けているのである。

時は流れ、私も今の職場に勤務して15年以上が経つ。その間に古いテープ案内の放送を使う車はどんどん駆逐され、6~7年前に私たちの職場からテープ放送車は完全に姿を消した。そして更に、昨年導入の車からは、案内放送の起動装置自体は同じ形なのに、「RESONANT(レゾナント)」と記したものが取り付けられるようになった。

これも調べて判ったことなのだが、㈱ネプチューンは、一昨年4月に富士急系の情報機器会社と合併して、新しい社名が「レゾナント・システムズ」となったそうなのだ。私が幼少の頃から慣れ親しんだ「ネプチューン」の名は、既にこの世から消えているそうなのである。

随分と歴史説明が長くなってしまった。それはさておき、今となってはテープ案内放送車に乗務していた頃が懐かしい。自分の担当するダイヤによっては、案内放送の8トラテープを5巻も6巻も持って出ねばならないこともあった。雨の日などはどうしようもないので、制帽にテープとダイヤ板を押し込んで片手に持ち、自分の荷物と傘をもう一方の手に持ち、びしょ濡れになりながら自分がその日乗務するバスまで辿り着いたものである。

そんな懐かしさ余って、結局は冒頭写真に使った廃品のテープ再生機を買った次第であるが(以前は職場の工場でマニア用に直販していた)、工場ですぐに動作テストをしてもらったら、ローラーなどが劣化しているのかうまくテープを送ることができない。私が相当のバスオタであることは工場の方も知ってみえたので、「じゃあ何とか鳴らせる様にして渡してあげましょう」と約束してくれた。

約束したはいいけれど、はっきり言って「年」の単位でテープデッキは戻ってこなかった。折角24V用の「デコデコ」まで買っていつでもテープが聞ける様に準備していたのに、全然戻ってこない。たまに工場へ用事があると序に「あの……」と訊いてみるのだが「ちょっと忙しくてね。いい、その内ちゃんと渡すから」と言われ続けて来た。そうこうする内、私も半分、再生機を預けたこと自体を忘れかけていた。

1ヶ月ほど前に、いきなり工場の方から「あ、テープ、鳴るようになったから」と呼び止められた。電源への接続方法まで教えてもらったが、今度は私の家の中で肝心な「デコデコ」が行方不明になってしまっていた。折を見て狭い家の中を探しているが、今のところ見つかっていない。だから、テープ放送も全然聞けずにいる。

思い出と、自分のだらしなさが交錯して、魚澄庵では今日も混乱が続いたままとなっている。

「ネプチューン」、罪な女神である。

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バス・仕事」カテゴリの記事

コメント

テープも今や懐かしい部類に入って来ましたね。
我が家にも発車前に置いてあった「頭出し器」があります。
操作可能状態でいただいたのですが、スピーカーがないので鳴らす事が出来ません。

ネプチューンですが、地元の中央バスや国鉄バスも使用していました。
色々なタイプのものがあり、観察していました。

今は便利になりましたね~。
押せば直ぐ出ますし、行き過ぎても戻せますからね。

投稿: N市のT | 2009年8月 1日 (土) 19時28分

私が高校生になったばかりの頃に市バスの「グレードアップ車」が入り始めました。入ったばかりの頃は音声合成ではなく一時的にテープだった覚えがあります。だから車内の表示器スペースにアナログ時計が一つ付いており不自然な感じがしたものです…。

投稿: リニモ1号 | 2009年8月 1日 (土) 21時59分

テープ式の案内放送機器懐かしいですね~
ネプチューンって久しぶりに聞きました。
私もよく運転手さんの後ろの席に座ってボタン操作を眺めていました。
そのときの記憶では札幌市営バスは赤いボタンで車外放送は自動、
中央バスは黒い小さなボタンで車内放送と車外放送が一つの
テープに入っていて、運転手さんが切り替えながら使っていました。
当時は料金箱も両替機も手動式でワンマンで諸々の操作は大変だったのではと
思います。

投稿: vanagon714 | 2009年8月 1日 (土) 23時08分

>N市のTさんへ
いつの間にやら、自分たちの職場からはテープ車がなくなっていましたね。最後にテープ車に乗務したのは、いつのことだったかなと思います。行政路線だったことは確かですが。

以前は同じネプチューンのテープ放送でも、2~3のタイプがあったようですね。
私も旅行先で、どこのバスかは忘れましたが、テープの大きさも異なるネプチューンの再生機を見たことがあります。

人間、便利な物にはすぐ慣れてしまいますね。後戻しできず、モニター表示もないテープ車に、もう一度乗務しなさいと言われたら、果たして正確に操作できるかどうか自信はありません。

投稿: N市のTさんへ | 2009年8月 1日 (土) 23時38分

>リニモ1号さんへ
グレードアップ車が入り始めて、はや、20年弱になりますね。
リニモ1号さんが見られた「アナログ時計のついたグレードアップ車」は、ことによると合成音声放送の試験車・KF-70かも知れません。
車番からお判りのように、基幹2号系統で使われた車ですが、合成音声ながら今の車内表示機とは異なる位置に表示機が付いており、表示機の位置にはアナログ時計が付いていました。
グレードアップの量産車は、当初からテープ放送は全く使っていませんので、多分この車のことを覚えておられるのではと思います。

因みに、KF-70で1年間、合成案内放送の試験をした後、かなりの改良を加えて現行の案内放送装置になりました。
また、KF-70は後に一般車としてリフレッシュされ(つまりRF-70となった)、その際にテープ案内放送車に戻されています。

投稿: リニモ1号さんへ | 2009年8月 1日 (土) 23時55分

>vanagon714さんへ
私たちの職場で使っていたテープは、中央バス方式に似ていますね。
車内放送と車外放送が一つのテープに入っているタイプです。ただ、案内放送の車内外の切り替えは自動で行われるようになっていました。
何かの都合で車内放送と車外放送が逆になってしまったときのために「復帰」という操作ボタンも付いていました。

料金箱は、昭和50年度に千円札対応の自動機に変わっていますから、その分、私たちの職場の乗務員は楽だったかも知れません。
まだ組合が力を持っていた時代なので、ワンマン化するにあたってかなりの要求を貫いたようで、それの最終段階が自動の料金箱だったようです。

投稿: vanagon714さんへ | 2009年8月 2日 (日) 00時34分

テープ車のネプチューン懐かしいですね。
ボタンを押してもすぐに放送が始まらなかったり、テープが伸びて変な音声になったり。

色々苦労があったのですね。


ところで車内にあるLEDの案内装置ありますよね。
緑の文字がたくさん表示されても異音がしませんが、バス停名等の「オレンジ文字」がたくさん表示されると「ジー・・・」っという異音が出ますよね。
あれが耳障りなんです。

東名古屋病院等、長いバス停名だとオレンジ文字も長くなり「ジー・・・」音が不快で不快で。

新しいのは改善されていますが、平成13年式あたりまでは異音が響きます。

投稿: 企4 | 2009年8月 6日 (木) 20時22分

>企4さんへ
今となっては、テープ車もいい思い出です。
ボタンを押して直ぐに放送が入らないのは、「お待ちどうさま、○○、○○行きです」の部分が放送されなかった(つまり乗客がなかった)時に、そうなりましたね。1本のテープで車内と車外の放送を賄っていたので、そう云うことになっていましたね。

今のLED車内案内、オレンジは緑と赤の両方のLED点灯による混色文字ですから、そういう音が出るようですね。私も終点で、エンジンを停めてボーっとしている時に、定期的に「ジーーー」と鳴るのは、以前から気になっています。
仰せのように、最近の車では改良されているようですね。

投稿: 企4さんへ | 2009年8月 6日 (木) 22時26分

たまたま、こちらにたどり着きましたので拝見させていただきました。
「ネプチューン」会社名変わりましたが、元々どちらの会社も富士急でしたので、グループ内合併でした。ネプチューンは商品名で残っていますよ。

投稿: センリ | 2009年8月15日 (土) 16時18分

>センリさんへ
はじめして。ようこそお越し下さいました。

私もバスオタ兼運転手の癖に、実際は余り詳しい情報を知りませんで……。
本文、少し省略して書いたので、ネプチューンが富士急系とのことはおぼろげながら知っておりましたが、商品名として残っていることは知りませんでした。レゾナントのサイトも、斜め読みの様な感覚で拝見しただけだったので、詳しい商品名までチェック致しませんでした。

正しい情報を頂きまして、有難うございました。もう一度、レゾナントのサイトを見てみます。

投稿: センリさんへ | 2009年8月15日 (土) 22時21分

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