« カーオーディオ「大」時代錯誤 | トップページ | 小宴会 »

2009年5月 8日 (金)

車内遺留品

Dscn

今日の話ではないが、バスの車内で遺留品があった。

終点に着いて、車内を一通り見回ったときに見つけたものである。

個人情報もあるからあまり詳しくは書けないが、携帯鞄で、中を調べると高額紙幣や本人のものと思われる免許証なども入っている。

遺留品にもランクがあって、傘や帽子程度のものだと、すぐには営業所に連絡しない。食事や仕事終わりで車庫に入庫した時に、報告がてら届け出る。でも、これには貴重品が含まれている。遺留品のランクから言えば「見つけ次第、営業所に連絡するべき」ものに相当する。

だが、この時は折り返しの時間が3分しか取っていなかった。到着したら、すぐ次の運行に向けて、お客の待つ停留所へバスをつけなければいけない時間である。まして私は携帯電話を持っていない。このような場合は、営業所への連絡が遅れても仕方がない。言い方は悪いけれど、忘れ物をしたお客さんが悪いのであって、バスの定時運行の方が優先順位は上になる。

遺留品は私の脇に大切に置き、折り返しのバスを定刻に発車させた。とは言うものの、これだけ大物の遺留品は、そう年に何度もあるものではない。いや、年に何度と云うより、何年振りかなと思うくらいの大物である。落とし主も、そろそろ気がついて、大いに焦っておられるに違いない。置き去りにされた鞄の方だって、さぞや不安な気持ちでいることだろう。

幸い、次に着いた終点では、営業所に電話する時間が十分あった。電話して私の氏名を告げると、「あ、ちょっと係に代わるね」と言われた。どうやら、もう既に落とし主から連絡があった様子だ。

遺留品の特徴や内容物などを連絡すると、やはり既に落とし主から問い合わせの電話があったとのこと。そして、たまたまその日運行している路線が、途中で車庫の前を通る路線であったため、「車庫前の停留所で、係を待機させておくよ。そこで、係にその遺留品を渡してやって」との指示があった。

次の運行で、指示通り、係に遺留品を渡し、これで私の「この遺留品に対する任務」は終了した。かなり重要な遺留品であったから、無事私の手を離れてホッとする。

その後、食事のために車庫へ戻ると、先程の係が「さっきの落し物、もう、本人が受け取りに来たよ。ご苦労さん。有難う」と言われた。免許証という最も本人確認に有効な品物が入っていたから、受け渡しもスムーズだっただろう。

単なる運ちゃん業ではあるけれど、こんな重要な任務も仕事の内だから、色々な面で「責任」が降りかかってくる。取り敢えずはその「責務」が果たせれて、ヤレヤレであった。

|

« カーオーディオ「大」時代錯誤 | トップページ | 小宴会 »

バス・仕事」カテゴリの記事

コメント

忘れ物、無事持ち主のところに戻って良かったですね。
終点で3分しか待ち時間が無ければ、とりあえず確保しておいて
運行を優先するのは当然ですね。

投稿: vanagon714 | 2009年5月 8日 (金) 23時33分

>vanagon714さんへ
久々の大物遺留品だけに、自分が持っている間は少し緊張しましたね。
持ち主がすぐに引取りに来てくれて本当にヤレヤレでした。

運行最優先は常識の話ですが、以前、別の乗務員が同じ理由で連絡が遅れた時に、落とし主が営業所に文句を言ったとの事例がありましたので、付帯的に書かせて頂きました。

投稿: vanagon714さんへ | 2009年5月 9日 (土) 14時16分

色々な忘れ物がありますね~。
国鉄時代、位牌や入れ歯を忘れて行く人がいたそうです。

大物を忘れて気が付いて終点まで追いかけて来る人がいますね。
パスポートを忘れてM見町まで来たおじさんがいました。車庫に連絡して、入庫時間に営業所で還付する旨伝えてもらって、お引取り願いました。
たまに「俺のだから今返してくれ」という奴がいますが、気持ちは分かりますが大物になると、色々と後から厄介な事になる可能性があるので、営業所で帳面に記載して印鑑をもらって還付しておかないといけませんね。

投稿: N市のT | 2009年5月10日 (日) 20時13分

>N市のTさんへ
忘れ物をすると、やはり皆さんパニック状態になる方が多いようで、色々な行動を取られますね。
私たちのよく出入りするHヶ丘の操車場にも、たまに「今乗ってきたバスに忘れたんだけど」と泡喰って駆け込む方があります。該当のバスが休憩していればいいですが、次の仕業に出て行ってしまっていれば、私達も営業所に連絡を取ってもらってお引取り願うしかありません。
焦る気持ちは確かに理解できますが、大物遺留品になると発車の指示がない限りは返す事は出来ませんね。

かく言う自分も、以前T爺さんのバスにマルスで発行してもらった券を落としたことがあります。小さな切符入れ(みどりの窓口などにおいてある奴)に入れたまま落としたので、爺さんは紙屑だと思って放置していたそうです。気付いて自分で営業所に電話したら、たまたま爺さんが食事で入庫中だったため、某助役さんがすぐに見つけてくれて事なきを得た経験があります。
「運転席から降りればあなたもただのお客さん」。肝に銘じておかねば……ですね。

投稿: N市のTさんへ | 2009年5月10日 (日) 23時37分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1088631/29513107

この記事へのトラックバック一覧です: 車内遺留品:

« カーオーディオ「大」時代錯誤 | トップページ | 小宴会 »