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2009年2月27日 (金)

大型車と中型車

大型車

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中型車

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上下の写真を見比べて頂きたい。中型車の写真はノンステップ車のものなので、全く同一に論じるのはよろしくないかも知れないが、まあ、ノンステでもツーステでも、前扉付近の状況に大差がある訳ではない。

私達の職場のバスは、特殊な例外を除いて前扉から乗車し、中・後扉から降車してもらうことになっている。

つまり前扉付近の写真をわざわざ比較で出したのは、お客さんが乗る際に、どんな不都合が生じるかを書きたかったからだ。

最近、バスのお客の多くが高齢者である。朝夕のラッシュ時は一般の方の利用が当然多いけれど、特に昼間閑散時のお客は7~8割が高齢者の方である。で、別に高齢者が鬱陶しいとか、そんなことは書く気はないし、思いもしない。然し、高齢者の方々が最近乗られる際に、大きな“荷物”を付帯させる例が増えてきた。“荷物”は、手提げの荷物に限らない。特に書きたいのは、この頃よく目にする「キャリアーバッグ」と、歩行困難な方が使用される「歩行補助具」に関してである。

どちらも、床に接する荷物としては大きな面積を必要とする。と、ここまで読んで、今一度「中型車」の入り口の写真を見て頂きたいのだ。

入り口に大きな料金箱が飛び出してしまって、客室へ入るのにかなり狭い部分を通らなければいけない実態がご理解頂けると思う。特にキャリアーバッグには、色々物を詰め込む方も居られて、重たくなってしまっている場合もある。狭い部分だけは持ち上げて通ろうとするのだが、ご老人の力では持ち上げられないことが往々にしてある。

これは、乗務員としても甚だ都合が悪い。黙って、持ち上げられるまで傍観していたら、忽ち「不親切運転手」の烙印を押されて、営業所だの本所だのへ電話されてしまう。止むを得ないから、お手伝いをしようとするのだが、私たちは帽子掛けマイクを義務付けられている。だから、帽子を脱がなければ運転席から離れられない。また、当然シートベルトも外さなければならない。そんなことを愚図愚図しているうちに、他のお客が手伝ってしまうケースも多い。あまり体裁の良いことではない。

また、元々体の不自由な方が使われる「歩行補助具」にしても、入り口があれだけ狭いと脚が引っ掛かって中に入れないケースがある。これも同様、お手伝いしなければ仕方がない。

中型車や小型車は、最近、狭い道路に入れることや乗客需要の少ない路線に適しているとして、導入される機会が増えた。私達の職場では、名古屋と云う大都市ゆえに導入台数は少ないが、15年前には僅かな例外を除いて全て大型車で運行していたことを考えると、導入率は決して低くないと思う。燃費も大型車よりはよいから、導入効果がないとは言わない。

ただ、導入するならば実態をもっときめ細かく調べて、高齢者や障害者に、我々の手助けがなくとも乗れるような車内配置を考えて頂きたいのだ。

料金箱に関しては、今年中に全車がICカード対応の新しい料金箱への付け替えが計画されている(一部営業所では付け替え済)。まだゆっくりと見ていないので、現行のものより省スペースになるかどうかは判らない。チラッと見には、現行より少し小さめに見えるが。

私とて、今すぐに名案がある訳ではないけれど、そのためにデスクワークの方々も居られるのだから、言葉だけでなく本当に「全ての人に優しい」バスを考えて欲しい。実態も知らずにコスト軽減だけを考えるのが仕事と思うなら、その方々の考えはお改め頂きたい。

現場とその実態をもっともっと観察して欲しい。

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バス・仕事」カテゴリの記事

コメント

現場の実態を把握していないのは今始まった事ではありませんね。
本庁は「現場上がりはガタガタ言うな」という体質ですね。

新型の料金箱はスマートになっていますよ。また、カードリーダーも内蔵型なので出っ張りがなくなり、おばさんの荷物が引っ掛かりにくくなりました。
中・小型の入り口も少し広くなって、スムーズに通行出来ます。

投稿: N市のT | 2009年2月27日 (金) 23時13分

こんばんは。
私の地元の場合は中型ワンステップ車が多いところでして、乗降のしやすさは交通バリアフリー法施行から変わりましたが、車内での問題も未だ多いと感じています。
地元も年配者の利用者が多い町でして、車内の構造はメーカー側にはもう少し考えてもらいたいところですね。
地元は新型運賃箱はおろか、未だに一昔前の運賃表や運賃箱です。
カードも使えませんし。

投稿: TAKASHI | 2009年2月27日 (金) 23時29分

>N市のTさんへ
残念ながら、うちの本庁は仰せの通りの態度ですね。これでは、いくら私たちが汗水流して職場を良くしようとしても、その意見が本庁で握り潰されるだけですよね。腐った本庁の連中に一矢を報いたくて書いた記事でもあります。本庁でこれを読んでる人間がいないのは判っていますが。

現行の料金箱は、カードリーダーを後付の形で無理矢理取り付けてありますから、かなりでっぱりが目立ちますね。そうそう、新しい料金箱では一体式になっていましたね。
技術の進歩で、各パーツも少しずつですが小さくなっているはずです。全体として小さくなっているのなら、歓迎すべき事態ですね。

投稿: N市のTさんへ | 2009年2月27日 (金) 23時45分

>TAKASHIさんへ
どこの町でも、高齢者の利用比率は確実に増えていますよね。バリアフリー法施行以後、最低でもワンステップになっていますから、乗降はしやすくとも逆に新たな問題も出てきていると思います。
特に問題なのは、大きく出っ張ったタイヤハウスと、その上の席ではないかと。会社によっては、タイヤハウス上の席に高齢者と幼児が座ることを禁じたところもあります。
でも、問題はそれだけではないですよね。もう少し適正な車内配置が考えられないものか、各メーカーが共同で解決して欲しい問題です。

料金箱云々は、各会社で事情や相違がありますから、一概に私がコメントするのは差し控えたいと思います。

投稿: TAKASHIさんへ | 2009年2月27日 (金) 23時59分

上の写真は2ステップ車ですね。
ステップの切り欠き形状が前乗り車に良く見られるタイプですね。
その昔、中央バスのBUやREの低床ワイドステップ車がこういう
形状だったのを思い出しました。

中型ノンステップ車の前扉付近はたしかにちょっと狭いなあと
私も感じます。
やはりノンステップゆえのタイヤハウスの大きさがネックと思われます。
私見ですが技術的改善策としては、更なる小径タイヤの装着によるタイヤハウス
を小さくするということかなあと思います。
たしかBSではTB用の60扁平タイヤを販売しているので応用できればと思いますが・・・

仕事で週に何度か利用する中央バスの路線も、日中はお年寄りがとても
多いです。
中央バスは中乗り、前降りなのでノンステップ車だと乗り込むのは楽です。
しかし中扉より前方の座席はすぐに埋まってしまうので、後から乗り込んでくる
お年よりは後ろの座席まで車内2ステップを登って行くので見ていて大変そうです。
安全性の面で車内段差はどうなのかなあと疑問を感じます。
もちろん走行中は席を立たない旨表示はしていますが・・・
ノンステップ、ワンステップ、70低床2ステップ、標準2ステップが同じ路線を
走っているので、趣味的には楽しいのですが乗客は戸惑うかもしれませんね~
長文、失礼しました。

投稿: vanagon714 | 2009年2月28日 (土) 07時37分

>vanagon714さんへ
長文コメント、大歓迎です。
今や、全国的にバスのお客の中心は、学生と高齢者・所謂「交通弱者」たちです。以前の国鉄ローカル線に似ていますね。
元気の良い学生は兎も角として、折角ノンステップにしても後部に段差のある構造は、私も何か良策がないものかと常々思っています。取り敢えずは、タイヤハウス部分を低く抑えるために扁平タイヤ使用を原則とするとか、段差を少なくするためにエンジン構造を改良するとか、あまり実用的ではありませんが思いつくのはそんな程度ですね。

あと、昔は日野の路線バスに「アンダーエンジンバス」がありましたよね。あの技術を何とか応用できないものかなとも思います。水平置きのエンジンが実現すれば、ある程度貢献できるとは思いますが、パワーが得られない可能性もありますし……トウシロには難しい問題です。

私達の職場でも「車内事故撲滅」を目指して色々と施策をしていますが、いくら案内放送を流しても(肉声で流しても)走行中に席を立つ高齢者が多く、困ってしまいます。ノンステップ車の保有比率が今年度で70%を超えるようですが、前から乗ってもわざわざ後ろの段差のある席を好む高齢者も多く、この点もちょっと困惑しています。折角のノンステなのに……と思うのですが。

今後のメーカーのご尽力に期待すると致しましょう。

投稿: vanagon714さんへ | 2009年3月 1日 (日) 02時08分

仰るとおり路線バスの技術的な問題は難しいなあと感じます。
こちらの新聞には昔あった段差の無いフルノンステップ車は
後部へ向かうスロープが雪をつけた靴では滑りやすくかえって
危険という指摘もあると書かれていました。

日野のアンダーフロアエンジン車は最後部に扉を設置できるので
関西の事業者に多く採用されたのではと思います。
2ステップ標準床ですが室内は完全フラットで車内移動はしやすい
ですよね。
N市のM鉄バスで以前走っていたベルギー、バンホール製の中型路線バスでは
工夫してホイールベース間の片側にエンジンを寄せて搭載していました。
ワンステップですがこちらも前後で同じ高さのフラットフロアを実現していました。

室内の段差を行き来するくらいならノンステップにこだわらないで都市型低床バスのような
フラット床のワンステップ車でも案外良さそうな気がしますね~

投稿: vanagon714 | 2009年3月 1日 (日) 09時08分

>vanagon714さんへ
日野のアンダーフロアエンジン車は、私たちの職場にも嘗てたくさん配属されていました。車内記号もリアエンジン車とは別個の固有記号が与えられていましたね。もっとも、扉は普通に真ん中にありましたけれど。

フルフラットのノンステは、当初試験導入されましたけれど、最後部の座席が向かい合わせになるなど何かと不都合な点が多く、結局本格導入にはなりませんでした。
私もいっそ、都市低床のツーステでもいいじゃないかと思いますが、今は車椅子の方も大切なお客様ですから、それを考えると現行が一番効率がいいということになってしまうようです。運転している本人もそう思います。

M鉄の外車バスがエンジンを片方に寄せていたのは知りませんでした。いろいろな発想を組み合わせて、よりよいノンステ車が出来ていくといいなと思いますね。

投稿: vanagon714さんへ | 2009年3月 1日 (日) 20時10分

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