« とある偶然 | トップページ | 新車乗務記 »

2009年1月 4日 (日)

ハトポッポとの物語(1)

Img1

かなり昔の話になるのだけど。

私が学生の頃、我が家へ遊びに来る1羽のハトポッポとお友達になったことがある。

当時我が家(実家)ではカナリア1羽とセキセイインコ数羽を籠の鳥として飼っていた。それらの餌のおこぼれを頂戴に、スズメに混じってこのハトも、いつの頃からか我が家へやって来るようになったのだ。最も古い写真は、私が大学へ入学する間際に庭を闊歩する姿を撮影してある。ということは、1982年の2月頃だと思う。

カナリアは母の趣味で飼っていたものだが、セキセイインコは父の勤め先に飛来するものを、父が同僚と捕まえて、我が家へせっせと運んでくれたものばかりだ。元々私が小鳥好きなので、父も気を遣ってくれたのだと思う。

そんな鳥好きの私の元へ、いつもいつも呑気に遊びに来るハトを見ていると、何となくコイツも可愛いなあと思い始めた。でも初めの内は、特別何をしていた訳でもない。スズメに混じって遊びに来るハト、と思っていただけで、コイツのために餌をまいたりはしなかった。ハトの方も人間に対しては警戒心があるから、一定の距離以上近付いてくることはなかった。

大学も2年になると学校の様子がわかってくるから、早く帰れる時はとっとと帰って、家でのんびりしていた。そんな日々が続くうち、家でも特別することがない私は、不器用な歩き方しか出来ないハトに興味を抱き、面白半分でインコの餌をばらまいてやったのである。奴は嬉しそうに餌のアワをコツコツと食べ始めた。スズメも飛んできて食べ始めたけれど、別に追い払うわけでもなく、一緒に仲良くまかれた餌を食べていた。意外と心の広い奴だなあと思ったのが、今から思うと、餌をやり続けるきっかけになったのかなと思う。

こうなってくると、スズメとは違いハトは体格がある程度あって警戒心も少ないから、人間との距離が縮まってきた。私が餌をばらまく距離もだんだん近くになってきた。

はっきりとは覚えていないが、大学3年の夏過ぎだったと思う。かなり間近に餌をまいても、喜び勇んで食べに来るいつものハトに、餌付けできないかなと思ったのだ。彼はだいたいいつも夕方4~5時頃、我が家へやって来る。彼が来るのを見計らい、「コリャ、一回俺の手からご飯を食べてみろ」と言って、縁側から餌で一杯になっている左手を差し出してみた。

奴も初めは「う~ん、欲しいんだけど……」と躊躇していた。私も意地悪して、絶対地面にはばらまかず、そのまま手を差し出していた。5分くらいのこう着状態が続いた後(私も暇人だったなぁ)、とうとう折れたのはハトの方だったのだ。トコトコッと歩み寄ると、さっと私の手から餌をついばみ、すぐにちょっと後ろへ引いた。私は「おー、遂に食べましたな」と言っただけで、左手はそのまま。餌をもらっても人間が何もしないと判ると、彼はまた私の手から餌をついばんだ。結局とうとうその日の餌は、全部私の手から食べさせられることになったのだった。

このことを機会に、彼の警戒心もかなり薄れて来たようで、縁側のたたきに餌をまいても、平気でそこで餌を食べるようになった。私も奴にかなり親しみが湧いてきて、ホームセンターで「ハトの餌」なんぞを買ってきて、与えるようになった。餌はもらえるわ、相手の人間は別に何も危害を加えないわで、それからは彼の方からぐっと距離を縮めてくるようになった。

大学の講義は、4時限目まで受けてすぐ帰ると、ちょうど彼の夕食タイムに間に合うような時間だった。餌がまかれていないと、彼はいつの間にやら洗濯竿がお気に入りの待機場所になったみたいで、そこで私が来るのを待っていた。初めに掲出した写真は、そんな彼の「待ってるスタイル」である。

実家にいるとき、私の部屋は2階の一室であった。彼がだんだん我が家の様子がわかってくると、私の部屋の近くに飛んできて「餌がないなぁ……」と言わんばかりに窓外の屋根をうろうろしていることもあった(実家の二階にベランダはない)。ただ、奴も家の中に入るのはかなり警戒していたようで、あくまで家の外から餌をおねだりしていた。こうなると、また意地悪心が湧いてきて、「家の中で食べてみるか」と私の部屋の中へ餌を置いてみたこともある。結果は、

Img1_2

こうなってしまった。何しろ餌がもらえれば、彼は何でもいい様だった。

母も初めの内は、洗濯物にフンを引っ掛けたりするハトに向かって「ちょっと、あんた洗濯物が汚れるでしょ」などとぼやいていたが、次第に諦めたようだ。私が大学4年になる頃には、すっかり家族の一員のような顔をして、ほぼ一日中我が家の庭のどこかをうろついているような有様になった。

餌があれば何でもいいと云う奴だから、その内ナンパまでするようになったらしく(きっと「餌が一杯食べれますぜ」とか言って誘ったのだろう)、やがては彼女まで連れてくるようになった。ありゃありゃ、餌が2倍要っちゃうよ、とぼやきつつ、私は出血大サービスを続けていた。そんな彼女とのツーショット。

Img1_3

右側の、色の薄い方がいつも来る“奴”である。

思い出はまだまだ続くのだが、このまま書いていたらとてつもなく長い文になってしまうので、今日はこれまでにしようと思う。何しろ、このツーショット写真は、大学4年(1985年)の5月頃に撮った写真だ。物語も1985年の春まで進んだものと思っておいてくだされ。

|

« とある偶然 | トップページ | 新車乗務記 »

小動物・野草」カテゴリの記事

コメント

おさかなさんより1日ずれて31日~4日までの勤務が終わり、ホッと一息ついています。
今日も仕事の押し売りをされそうになりましたが、なんとか逃げ切りました。また11連投はキツイですからね。

82年~85年といえば、貨車にぶら下がったり汲取りWCのお掃除をしていた頃ですね~。
まだ長閑で良き時代でした。
当時はハトポッポをかまっている余裕がまだありましたね。
現在は全然余裕がありません。「張り詰めた糸は切れ易くなる」状態ですね。

投稿: N市のT | 2009年1月 5日 (月) 09時56分

>N市のTさんへ
年末年始のお仕事、お疲れ様です。連投は、是非逃げて下さい。
さて、82年~85年、私も大変時間の余裕がありました。それだからこそ、あんなハトポッポに構っている時間もあったんですよね。
家に帰ると、母が「あの子が待ってるよ」とよく声を掛けられたものです。ハトの方も、ここなら間違いなく餌にありつけると信じていたのでしょうね。
Tさんは、ドバトに嫌な思いをさせられたことがあると言われていましたが、このキジバトは群れで生活しないので、彼女がいなければいつも一羽で生活していたようです。慣れるに従って動作ものんびりしたものになり、平和そのものの奴でした。いい時代だったなと思いますね。

投稿: N市のTさんへ | 2009年1月 6日 (火) 13時07分

えへ!
今日は、こちらへ、お邪魔しております。
おさかなさんも、小鳥がお好きなのですかー?
実は、わたしもなのです。

小鳥の形が、可愛くって、
見ていると、知らず知らずに微笑んでしまうのです。

特に、ハクセキレイの、とことこ歩く様は、かなりツボです。

おさかなさんの様に、餌づけしたことは無いのですけど、庭で鳥がたわむれているのを見るのは、とっても好きですよ。

(*^▽^*)
似通ったところが、結構あって、ちょっと驚き…

ところで、こちらのブログは、いつから始まっているのですか?

投稿: るふるん | 2012年4月25日 (水) 23時53分

>るふるんさんへ
色々ご覧頂いて有難うございます。

鳥はカラス以外は皆好きですね。小さい頃から家でカナリアやブンチョウを飼っており、その延長線上でずっと鳥好きです。
この記事に書いたハトは、ちょうど自分が時間を持て余していた学生時代に我が家に居つき、面白いので餌をやっている内に完全になついてしまったんですよね(笑)。
私もハトとかスズメとかの、あの丸っこい体形、好きなんですよ。何か見ていて微笑ましくなってしまうと言うか……。可愛いなぁと思ってしまうんです。

ハクセキレイは、最近、街中にも出没するようになって来ましたね。
仰せのトコトコ歩く姿は、私も見るとニンマリしてしまいます。

仕事途中等で時間に余裕があると、ついつい手持ちのコンデジで鳥たちを写してしまったりもします。このパソコンにも「哀愁の鳥さんたち」と名付けたフォルダがあって、そこへ写した画像を収めています。変人かも知れませんね(汗)。
るふるんさんと、共通点があるとのことで、ちょっと私も吃驚しています。

愚ブログは4年前の8月頃から始めたと思います。初めの1ヶ月くらいは別のサーバーを使っていましたが、画像の添付がし易いのでこのニフティへ引っ越してきました。

当初の記事は
http://oosakana.blogtribe.org/
で(多分)ご覧頂けるかと思います(最近全く使っていないので、当の本人も判りません・滝汗)。

投稿: るふるんさんへ | 2012年4月26日 (木) 22時13分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1088631/26792993

この記事へのトラックバック一覧です: ハトポッポとの物語(1):

« とある偶然 | トップページ | 新車乗務記 »